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  • インタビュー

O.C.S.D.チャリティアート展インタビュー
『チェリ子』

神尾なつみ
2022.08.17

8月22日からスタートする「O.C.S.D.チャリティアート展」
参加アーティスト『チェリ子』さんにインタビュー!
今回の作品の見どころなどについて聞いてみました!

–今回、制服の生地を使ったアート制作のご依頼をさせていただきました。
昨年に引き続き本企画にご賛同いただいた理由を教えてください。

チェリ子:元々オサレカンパニーさんのSNSをフォローしていたことがきっかけで前回のチャリティ企画に参加させていただいたのですが、今回は主旨が変わってフィジカルのあるような作品を作るということを前提にご依頼いただきました。普段、モノとして残るような作品よりデジタルでの作品作りが多く、参加することに不安はあったのですが、制服の生地を使わせていただくことは個人では出来ない事だなと思い、頑張りたい!という気持ちで参加させていただきました。

–今回の作品のテーマ・コンセプトはどういったものでしょうか?

チェリ子:若い方の自己形成をテーマに制作しました。今回制服の生地をいただいて制作するということで若い方を描こうと考えていました。

自分の過去も踏まえ、学生の頃は挫けたりネガティブな感情をもったりしながら自分を形成する時期だと思っていて、そのイメージを金継ぎ*をモチーフに選択し表現しました。
*割れや欠け、ヒビなどの陶磁器の破損部分を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法のこと。

『ツギ』
『ヒビ』
–デザインを2種類制作していただきましたが、各デザインの違いはどんなところですか?

チェリ子:2パターンあったほうが連作っぽくて可愛いかなと思ったので、デザイン違いで制作しました。意識したポイントは「目線の違い」です。こちらに視線を送っているデザインと視線を逸らしたようなデザインで差をつけました。

–今回制作される中で難しかった点はありましたか?

チェリ子:基本的にクライアントワークで制作させていただくイラストはデジタル作品が多く、アート作品として残す経験が本当に無かったので、自分のブランディングと今回の企画に相応しい作品作りを考えたときに、バランスを取るのが難しかったです。
普段のクライアントワークでは、「こういうキャラクターでこういうイメージで仕上げて下さい。」という風に依頼元で理想とされているイメージがあるので、そのイメージに向けて制作することが多いです。
今回は自由なテーマでオリジナルイラストを描かせていただけるということだったので、どこに落とし所をもっていくか悩みました。
シルクスクリーンで印刷することが決まってからは、普段の細い線だと印刷に反映されない恐れがあるので、自分の絵柄をキープした上で少し太めの線画で印刷に残りやすいように調整することも難しかったですね。

–チェリ子さんの作品に登場する女の子は、毎度キャラクター像などを設定して描かれているのでしょうか?

チェリ子:個人制作に関してはキャラクターや人物像を設定することを全然しておらず、感覚としては女の子を使って大喜利しているような感じで制作しています(笑)
クライアントワークですとキャラクターや物語性を考慮する作品も多くあるのですが、今回の企画では個人作品に近い感覚で自由に制作させていただきました。
今回の作品に登場した子は、性別を特に決めて描いていないので、作品を観ていただく方に自由に受け取っていただけたらと思っています。

–蛍光色のカラーリングにされたのは何故でしょうか?

チェリ子:布地の色味も考えつつですが、選んだ金継ぎというモチーフを活かすためにも異質感を出したいと思ったことと、シルクスクリーンとの相性も考えて蛍光色を選びました。

–作品となるベースの布地の選択肢に無地とチェック柄がありましたが、生地はどうやって決められましたか?

チェリ子:私事なのですが、学生時代チェック柄のスカートを履いたことが無くて…単純に制服のチェック柄に憧れがあって決めました。 自分の作品との相性を考える前に布地の手配をしていただく際に「チェック柄で!」とオーダーしていました(笑)

–パンツとスカートどちらにも見えるようなデザインだったり、片方の靴を脱いでいたりするデザインが特徴的ですが、このデザインに込められたメッセージがあれば教えてください。

チェリ子:「O.C.S.D.」の制服を調べさせていただいた際、女の子のパンツスタイルも浸透してきていると感じました。その印象が残っていたので、パンツスタイルとスカートスタイルをミックスして色々な捉え方が出来るようなデザインにしました。

–今はSNSで作品を発信することが主流になってきていますが、SNS投稿する際に心掛けていることやマイルールはありますか?

チェリ子:マイルールは特に決めていないですね。Twitterは日記みたいな感覚でファンアートや落書きを投稿しています。Instagramは作品を投稿した際に、海外の方からの反応も多かったりするので、チェリ子として作品をどう見てもらえるかという指標にしています。

–最後にこのインタビューを見て下さっているファンの方や初めて見て下さった方へメッセージをお願いいたします。

チェリ子:今回個人的にフィジカルのあるものを作るということが大きなポイントでもあったので、初めて見て下さる方にはチェリ子という作風はこういう感じなんだと受け止めていただけたらありがたいなと思います。逆に今までの作品を見て下さっている方からしたらまた何かいつもと違う表現をしようとしている!と感じていただけると嬉しいです。
是非、作品についてコメントを下さったら嬉しいですね!

O.C.S.D.チャリティアート展販売サイトはこちら
https://ocsd.base.shop/

PROFILE


チェリ子

東京在住イラストレーター。
ゲーム会社を退職後、2020より本格的にフリーランスのイラストレーターとして始動。MVイラストやキャラクターデザイン、広告などを中心に活動中。マジカルミライ2019公式テーマソング「ブレス・ユア・ブレス」MVイラスト、「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!」MVイラスト、「進研ゼミ」DMイラスト等

Twitter:https://twitter.com/chie_rico
Instagram:https://www.instagram.com/chie_rico/

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