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教えて○○さん!あの頃どうでした?【第9回目ゲスト徳川印刷】

神尾なつみ
2021.08.17

さまざまなシーンで活躍する先輩たちにも学生時代があり、不安が時々自分をダメにしてしまったり、ブルーにこんがらがった経験や時代があるはず!?
先輩たちの歴史を学んで未来にいかすインタビュー「教えて〇〇さん!!あの時どうでした?」がスタート!!
今回第9回目のゲストとして徳川印刷の小池りかさんをお迎えして、学生時代の話を含め現在の活動についてきいてみました!

チャリティアート展でジークレープリントをしてくださった徳川印刷の小池りかさんへインタビューしてきました!


職業について


-小池さんが実際にされているお仕事の内容を教えてください。

小池さん:主に作家さんから写真やイラスト、絵画のオリジナルデータをお預かりして、作品に合わせた紙のご提案からプリントづくりをしています。どのプリントも1枚1枚手作業でカットして、インク抜けなども見逃さず筆で手直ししているので、集中力と細かい観察力が必要な仕事だと思います。

時にはご要望に合わせて額装やアクリル加工、キャンバスパネル加工などの展示に向けた制作サポートもしています。


-徳川印刷に入ったきっかけを教えてください。

小池さん:元々の始まりは大学の授業に代表の松平が講師としてきてくれたのがきっかけです。私自身の展示をする際に大きなプリントがしたいと思って相談に行きました。そのまま色々とお手伝いをするようになり、大学卒業後アシスタントとして働き始めました。

もっと気軽に多くの人にプリントの楽しさを知ってほしいという理由で、2020年に「徳川印刷」をスタートし、今はその運営を任されています。


– 小池さんは元々写真の学校に通われていて、表現する側だったと思うのですが、サポートする側に進もうと思ったのはどのような きっかけだったのでしょうか?

私は自己表現というより、根本的に人の話を聞いているのが好きなんですよね。作品を作ることよりも、目の前の人の感性や想像力をどんどん外に出して サポートする役割に関心がありました。 

学生時代に 取り組んでいた写真作品も全てドキュメンタリー性を重視していて、職人、役者などの人物が対象でした。発表したい!表 現したい!という気持ちよりも、カメラという魔法の道具があることでその人自身の言葉を直接聞くことができる、その人の見ている風景を隣で見させていただけることに撮影の役得みたいなものを感じていたように思います。

学校の授業だけだと限られたことしか学べないので、授業がない日はギャラリーや暗室(写真現像などに用いる暗い部屋)のプロラボで勉強させてもらっていました。

そんな心持ちで生活していた延長線上で、今の代表に出会い、あとはもう成り行きに任せて今に至ります。


-徳川印刷では写真・イラストの印刷の割合はどのくらいでしょうか?

小池さん:最近はイラストの作家さんが増えてきましたね。 写真に特化した暗室でのプリントと比べて、徳川印刷にあるインクジェットプリンタは紙質やサイズの選択肢が多いのが特徴です。イラストや絵画の作家さんがいることで、写真のプリントだけでは分からなかった紙の特性や色の出方を発見できることがすごく面白いです。


中学・高校時代のエピソード


-小池さんは学生の頃、どんな学生でしたか?

小池さん:14歳ごろから映画やミュージックビデオなどの映像作品ばかり見ていました。画を作り上げる裏方の仕事に興味があって、その中でもムービーカメラマンに憧れて、カメラに夢中になりました。その後大学で写真の基礎を学んでいましたが、自分の学科よりも他学科の授業をよく受けていて…(笑) 

気になったことは直接教授や専門分野の先輩に聞きに行ってました。 とにかくジャンル問わず色んな所へ行って、色んな人のお話しを聞いて生のものを感じてずっと吸収していたと思います。

私の中で はライブ感というのはすごく大事にしていますね。

ある時、京都の美術館ですごく有名な写真家さんの生のプリントを拝見する機会があり、一瞬で鳥肌が立ったことがありました。既にお亡くなりになられた方で、お 会いすることも出来ないし、どんな方だったのかも全然わかりませんが、何十年も前のプリントで今生きている私たちがこんなに心動かされるんだ!ということに凄く感動して…だからこのプリントのお仕事を続けているのかなと思います。


中高生に向けてのメッセージ


-今の若い学生の皆さんにメッセージをお願いします。

小池さん:学生のうちに好きなモノ・ヒト・コトを沢山見つけてください。

例えばカメラマンになりたくてカメラに 関することだけをやっていると、どんどん視野が狭くなってしまうかもしれません。 私の仕事でいうと、人と人との言葉のやりとりがベースとなるので、色んなものに興味を持っていると対話する相手の景色が見やすくなって、コミュニケーションが取りやすいなと感じています。

日々過ごしている中で、たくさんの出来事に触れると思うのですが、全て人が作りあげた風景です。今回のプロジェクトを受けた理由も、プリントに生で触れてもらいたいという思いが詰まっています。その展示の向こう側には作家だけでなく、紙や額を作っている職人たちがいるからです。目に見えているものよりも、その先を想像していくと、「こんな世界があるんだ!」という 発見が皆さんの心を豊かにしてくれると思います。


PROFILE


小池りか(徳川印刷)

東京工芸大学芸術学部写真学科卒業
写真やイラストなどのジークレー印刷に関わり6年以上。
親しみやすい性格と強い責任感で作家に寄り添い制作を支える。

徳川印刷(株式会社松平)

写真家・画家・イラストレーターのためのオンラインプリントサービス。 最新鋭のインクジェットプリンタを用いた高品質なジークレープリントを提供。 

母体の「アトリエマツダイラ」ではディレクター松平光弘による細かい色調整などを含めたプリントサービスを行なっており、国内外の写真展をはじめ、国宝などの文化財や絵画の複製などを手がけている。

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