11月17日からバーニーズ ニューヨーク銀座本店にて開催
「O.C.S.D.チャリティアート展」
今回は、豊田玉之介さんに作品の見どころなどについて聞いてみました。
-チャリティーアート展の作品について-
-チャリティーアート展へ参加してくださった理由があれば教えてください。
豊田玉之介:Goyo Galleryの木村さんに声をかけていただいたことがきっかけです。
僕自身が単純に作品を発表する場を求めていたということと、作品を通じて学生支援に繋がるというところが魅力的だなと思い、参加しました。
-今回の作品のポイントを教えてください。
豊田玉之介:僕の作品は、何も書かれていない吹き出し、無表情の人物など、捉えどころがない作品にすることによって鑑賞者に想像させる余地をつくり出せるようにしています。
見てくださる方がいて、そこではじめて作品が完成するような作品だと思っています。
-今年のテーマである「TASTE・LUXURY・HUMOR」をどのようにして表現しようとおもいましたか?
豊田玉之介:もともと自分の作品にHUMORの要素があるなと思っていて。
無表情な人物と身に着けているもののギャップを意識して作りました。
-なぜ動物モチーフの作品にしたのでしょうか?
豊田玉之介:単純に、バリエーションが欲しかったのと、並べた時に面白いと思って今回は動物のモチーフ6点作品を描きました。
-実際に制作を進めてみて、イメージ通りに進みましたか?
豊田玉之介:キャンバスに描く段階では、イメージがほぼ確定した状態なのですが、そこまでに至る構想やスケッチに時間がかかりますね。
コンセプチュアルな作品なので、作品そのものではなく、見てくださる方がいてこその価値だと思っています。
-制作期間は大体どのくらいですか?
豊田玉之介:キャンバスに描くのは1週間ぐらいです。その前の構想やイメージの段階では、まず最初に紙に描いていって、そこで良いなと思った絵をiPadで写真を撮ってデジタルで描き直し、キャンバスに描くという流れで全体で約1か月くらいかかりますね。
-普段は色を使われていると思うのですが、配色はどうやって決めているのでしょうか?
豊田玉之介:僕の作品は漫画が原点にあるので、できるだけ色は使いたくないですが、色を取り入れる場合は、自分が見ていて心地よい配色になるように意識しています。
-今年のチャリティーアート展は、11月にバーニーズ ニューヨーク(以下:バーニーズ)の銀座本店で行われますが、どのあたりに注目してほしいなどありますか?
豊田玉之介:作品の前で色々なことを想像してほしいですね。僕自身が考えていないようなことを考えてもらえたら凄くワクワクするなと思います。
自分の作品は鑑賞者に委ねているところがあるので。
-絵を描き始めたきっかけを教えてください。
豊田玉之介:両親が絵を描いていたり、兄も美大の油絵を描く科を出ていたりしていてもともと絵に触れていた環境であったと思います。
幼い頃からそういった環境で育ったということもあり、学生時代は絵が得意だなというのが感覚としてあって、それが取柄になっていました。
-絵の道に進むのは、ご両親から反対されたりしなかったんですか?
豊田玉之介:反対されなかったですね。
公務員として働きながらアーティスト活動をしているので、自分自身のライフスタイル的にも今の仕事のスタイルが合っているなと思っています。
-信州大学の教育学部を卒業されているとのことですが、どんな大学時代でしたか?
豊田玉之介:大学は、自分の表現を見つけたいという想いで通っていました。
街の中に古本屋や小さいギャラリーがあったのでそういった場所にもよく通っていました。
そこで「ガロ」という昔の漫画雑誌を見つけて、自分もこういう漫画を描きたいなと思いました。漫画のような絵を描いていく中で、徐々にオリジナルの表現が確立されていったと思います。今は漫画のような作品のスタイルが自分の中でしっくりきています。
-学生の皆さんは進路などで悩む時期だと思いますが、少しでも解決するコツがあれば教えてください。
豊田玉之介:人それぞれ色んな悩みがあると思いますが、自分の中で抱え込んでいても中々解決しないと思うので、周りの先生やお友達など、色んな人に話してみてもいいんじゃないかなと思います。人に話してみて、解決することもあると思います。
-作品を制作する上で、一貫して大事にしていることはありますか?
豊田玉之介:後になって嫌だなと思う作品は作らないように納得する作品作りを心がけています。でも、作品づくりでまだまだやれるぞと思うことがあって。100%ではないからこそ、今こうしてアーティスト活動を続けているのかもしれません。
-将来、絵を描く道を目指すにあたって何かしていたことはありますか?
豊田玉之介:大学の時は、無印良品とかで販売されている四コマノートに絵を描いていたりしました。大学時代はインプット・アウトプットをたくさんするように心がけていました。
作品を見た人からの感想は、新たな気づきになっていくと思うので、作品を発表することは大事にしています。
-学生時代にこれをやっておけばよかったなと思うことはありますか?
豊田玉之介:美術のことしか考えていないくらい没頭していたので、それ以外のことをもっと学んでおけばよかったなと思います。美術を続けていくためには、何が必要なのか?とか…。
高校3年生くらいの時に先のことを色々考えるようになって、僕は公務員という選択肢を選びました。でも、もっと広い視野を持っていれば更にいい選択ができていたと思います。
-美術の道を目指す学生の皆さんにアドバイスをするとしたらどんなことを伝えたいですか?
豊田玉之介:デッサンが出来る出来ない関係なく、自分の作品のスタイルがあるといいかなと思います。結局、自分なりに考え抜くことが大事だなと思っていて、失敗をたくさん繰り返して、自分なりの答えを出していくことが大事だと思います。
-これからの活動でやりたいことなどはありますか?
豊田玉之介:立体作品を作りたいですね。いま3Dプリンター等で試しているんですけど、サイズに限界があるので、大きい立体作品を作りたいです。
今まで立体作品を作ったことがなかったので、手段を模索しています(笑)
-ありがとうございました!立体作品も楽しみにしております!!
▲現在制作中の立体作品
PROFILE
豊田 玉之介 Toyoda Tamanosuke
1988 群馬県生まれ
2011 信州大学 教育学部芸術教育専攻美術教育分野 卒業
BIOGRAPHY
2022 「萱アートコンペ2022受賞作品展」ハウスM西麻布、東京
「アートアワード-novae-2022」アートコンプレックスセンター、東京
2023 「ACT大賞展」アートコンプレックスセンター、東京
「see some scene」GALLERY IRO、東京
「SICF24」スパイラルギャラリー、東京
「Summer Group Show 2023:Term ONE」THE blank GALLERY、東京
PRIZE
2017「群馬青年ビエンナーレ2017」入選
2018「トーキョーワンダーシード2018」 入選
2021「萱アートコンペ2021」優秀賞
2022「萱アートコンペ2022」大賞
2023「SICF24」EXHIBITION部門 金澤韻賞
Instagram:https://www.instagram.com/tamanosuke_toyoda